「やめた方がいいハウスメーカー」の特徴とは?失敗しない選び方5選

家を建てるのは人生の大きな決断であり、せっかくの夢のマイホームは納得のいく仕上がりにしたいものです。

ハウスメーカー選びは、初めてマイホームを建てる方にとっては非常に難しいと感じられるでしょう。数多くのメーカーが魅力的な情報を掲げており、選ぶ側としては情報の多さに圧倒されがちです。

そこで、良いハウスメーカーを選ぶために、「やめた方がいいハウスメーカー」の特徴を知るという視点を取り入れてみてはいかがでしょうか。そうすることで、数ある選択肢の中から自分に合ったハウスメーカーを見つけやすくなり、難易度が少し下がったように感じるかもしれません。

本記事では、注意すべきハウスメーカーの特徴や後悔しないための賢い選び方について解説します。この記事を参考にすることで、後悔の少ないマイホームづくりを実現しやすくなり、将来にわたって安心して暮らせる住まいを手に入れられるでしょう。

著者情報

三沢大樹(Misawa Daiki)

自宅のリフォーム会社選びをする際に苦労し、結果的に失敗となってしまった経験から、人生にそんな何回もないリフォームに失敗してしまう人を無くしたいという思いからリフォーム情報メディアを立ち上げ。

早稲田大学卒業

宅地建物取引士試験合格

目次

「やめた方がいいハウスメーカー」の特徴

ハウスメーカー選びに失敗しないためには、避けるべき特徴を知ることが大切です。以下で解説する特徴を持つハウスメーカーは、後々トラブルに巻き込まれる可能性があるため注意が必要です。

保証やアフターサポートが不十分

マイホームは建てて終わりではありません。施工不良による欠陥が見つかることがあったり、欠陥がなくても長期的に使用していくことで改修が必要になることもあります。

良いハウスメーカーでは、顧客が安心して住み続けられるように充実した保証とアフターサポートを提供しています。一方でやめた方がいいハウスメーカーは、保証やアフターサポートを最低限に抑えている傾向にあります。自社の施工技術に自信がなく、後々の対応を避けているためです。

過去に不祥事を起こしている

過去に不祥事を起こしているようなハウスメーカーには、慎重な見極めが必要です。特に、一部の社員の問題ではなく組織全体の体制に起因するものである場合、その風潮が蔓延している可能性があります。そのようなハウスメーカーと契約した場合、思わぬトラブルに巻き込まれてしまうかもしれません。

組織全体の体制に起因する不祥事としては、住宅ローン融資書類の改ざんや不適切な会計処理などの事例が過去にありました。また、融資契約違反に該当する賃貸転用を顧客に助言するなど、コンプライアンス意識の低さを示す行為も見られました。

検討中のハウスメーカーで不祥事が発生した過去がある場合は、その後の改革内容と実際の変化を確認することが重要です。具体的な改善策が示されておらず、同様の不祥事が再発しているような場合は、特に注意しなければなりません。

市場価格とかけ離れた価格を提示してくる

市場価格から大きく外れた価格を提示してくるハウスメーカーには注意が必要です。新築契約時の収入に依存したビジネスモデルを構築しており、アフターサポートが軽視されている可能性があるためです。

逆に価格が低すぎる場合も安易に受け入れないようにしましょう。見積もりには最低限の価格しか載せておらず、契約後に追加コストが必要となり、最終的には競合のハウスメーカーよりも割高になってしまったという事例も確認されています。

営業担当者の対応が悪い

営業担当者は、顧客とハウスメーカーを繋ぐ重要な存在です。営業担当者の対応が悪いと、マイホームづくりの計画に支障をきたす可能性があります。また、本来楽しめるはずのマイホームづくりが、逆にストレスを感じるものになってしまうかもしれません。

ハウスメーカーの営業担当者は、給与体系が歩合制であることが多く、成約数に応じて収入が変わります。このため、営業担当者の関心が新規の顧客や反応の良い顧客に向かいやすい傾向にあります。こうした仕組みが、営業担当者の対応が悪いことに繋がっています。

ハウスメーカー選びで失敗した体験談

実際にやめた方がいいハウスメーカーを選んでしまった人は、その後どのような体験をしたのでしょうか。インターネット上で見かけた体験談を紹介していきます。

建てて間もないのに設備不良が頻発し、保証も適用されない

ある顧客は、建築後4年という早い段階で深刻な問題に直面しました。設備の故障が次々と発覚し、保証期間を過ぎていたために有償での修理を余儀なくされました。さらに、汚れに強いと説明されていた外壁までもが予想以上に劣化し、黒ずみが目立つようになりました。

このケースから分かるように、丁寧な施工を行わないハウスメーカーに依頼してしまうと、見た目は良くても耐久性に問題があることがあります。当初の想定以上に修理費用が発生し、家計を圧迫する事態に発展することも少なくありません。

期間中に工事が終わらず、その後も放置されている

別の事例では、すでに入居済みにもかかわらず、電気設備の取り付けや不具合箇所の補修が完了していないという深刻な問題が報告されています。入居者は我慢を重ねながら待ち続けていますが、ハウスメーカー側の対応が極めて遅いと言う状況に不満を募らせています。

このような事態が発生する背景には、ハウスメーカー側の不適切な工程管理があります。本来であれば、顧客の入居時期とハウスメーカー側の工程や人員を考慮して、実現可能な計画を立てるべきです。しかし、契約獲得を優先するあまり、無理な工程を組んでしまうケースが見られます。

営業担当者に連絡がつながらない

さらに深刻な事例として、土地が決まっていない状態で仮契約を結び、頭金を支払ったにもかかわらず、その後の進展が見られないケースがありました。営業担当者は「必死に希望の土地を探します」と約束したものの、ほとんど連絡を取ることができない状態に。

顧客が自ら見つけた土地の調査を依頼しても、その結果報告さえ得られないこともあったようです。最終的に1年が経過しても土地が決まらず、顧客が契約解除と頭金返却を申し出ましたが、それでも営業担当者からの返答は得られませんでした。

ビジネスマナーとしては基本である「報告・連絡・相談」ができない営業担当者が在籍している場合、企業側の指導不足が考えられ、組織的に問題がある可能性があります。

「やめた方がいいハウスメーカー」を選ばないための賢い選び方5選

人生で最も大きな買い物となる住宅購入。せっかく夢のマイホームを手に入れても、ハウスメーカー選びを誤ってしまうと、建築中のトラブルや完成後の不具合など、長期にわたる悩みの種となってしまいます。実際、2023年の国民生活センターの調査によると、新築住宅に関する相談件数は年間4,000件を超え、その多くがハウスメーカーの選択に起因する問題だといいます。

ただし、これは裏を返せば、適切な基準でハウスメーカーを選べば、快適な住まいづくりは十分に実現できるということ。この記事では、住宅専門家として15年以上の経験を持つ筆者が、失敗しないハウスメーカー選びのポイントを、実例を交えながら詳しく解説していきます。特に、契約前に必ずチェックすべき5つの重要項目と、見過ごされがちな注意点について、具体的な確認方法とともにお伝えしていきましょう。

希望条件の優先順位を決める

マイホームづくりにおいて、まず明確にすべきなのが自身の希望条件です。キッチンの機能性を重視するのか、空間全体の温もりを大切にするのか、具体的な優先順位を決めることが重要です。

優先順位が明確になることで、相性の良いハウスメーカーを見つけやすくなります。また、営業担当者との打ち合わせで不要なオプションなどを追加されることを防止できます。

ハウスメーカーに相談する前には家族で話し合い、希望条件を明確にするようにしましょう。

モデルハウスを参考にし過ぎない

モデルハウス見学は、ハウスメーカーによって実際に建てられた家を体験できる貴重な機会です。カタログだけでは得られないリアルな感覚を体験できることがメリットですが、通常より豪華な仕様で作られている場合があります。実際の建築とはギャップが生じる可能性があるため、モデルハウスの印象だけでハウスメーカーを選ぶことは避けるべきです。

一方で、モデルハウス見学は営業担当者と気軽に話ができる場として活用できます。あくまでも情報収集の場として位置づけ、総合的な判断の1つとして捉えることが賢明です。

施工会社や職人の質を確認する

マイホームの品質を大きく左右するのは、実際に建築を担当する施工会社と職人の技術力です。多くの場合、ハウスメーカーは地元の施工会社に作業を依頼します。この方式には地域の特性に合わせた住宅づくりが可能になるというメリットがありますが、施工品質にばらつきが生じる可能性もあります。

契約する前に、建築を担当する施工会社の名前を確認しましょう。施工会社の評判や実績を調べ、気になる点があればハウスメーカー側に相談して、解消しておくことをおすすめします。

営業担当者の人柄を確認する

マイホームづくりのパートナーとなる営業担当者には、専門知識だけでなく基本的なマナーや人柄も求められます。顧客の意見に真摯に耳を傾け、きめ細かな気配りができる人物であることが望ましいです。

ハウスメーカーによっては公式サイトで営業担当者へのインタビュー記事を掲載しています。これらの内容から、企業文化や営業担当者の人柄を確認することができます。

また、実際の商談の場での基本的なマナーや細かな気遣いの有無も重要な判断材料となります。

アフターサービスや保証内容を確認する

住宅品質確保法では、新築住宅の引き渡しから10年間、構造耐力上主要な部分や雨水の侵入を防止する部分について、請負人または売主が責任を負うことが定められています。しかし、この法定保証に加えて、ハウスメーカー独自の長期保証があることが望ましいです。

定期点検サービスの内容や頻度、カスタマーサポートの体制についても詳しく確認することが大切です。これらの充実度は、長期にわたって安心して住み続けられるかどうかを左右する重要な要素となります。

複数のハウスメーカーに見積を依頼する

市場価格から大きく外れた価格を提示してくるようなハウスメーカーは避けるべきですが、初めてマイホームを建てる人にとっては市場価格が把握しづらいでしょう。そのため、複数のハウスメーカーに見積を依頼することをおすすめします。

複数のハウスメーカーの見積を確認することで、あなたがイメージしているマイホームの市場価格が見えてきます。明確な理由がないのにその市場価格から外れているハウスメーカーは注意しましょう。

複数のハウスメーカーから見積を取ると、価格交渉の際も有利に働きます。例えば、サービスの良いA社と予算に合った価格を提示しているB社で比較しているとします。この時にA社に対して「価格面でB社の方と悩んでいます」と正直に伝えれば、価格交渉に応じてくれる可能性があります。

「やめた方がいいハウスメーカー」に関するよくある質問

家族の夢であるマイホーム。せっかく大切な資金を投じて建てる家だからこそ、後悔のない選択をしたいもの。でも実際のところ、どのハウスメーカーを選べばいいのか、どこをチェックすれば失敗を防げるのか、悩む方も多いのではないでしょうか。

最近では、SNSやインターネット上で「このハウスメーカーは避けるべき」といった情報を目にする機会も増えています。しかし、そういった情報の中には、個人の偏った経験や、古い情報に基づくものも少なくありません。そのため、ハウスメーカー選びでは、具体的な基準を持って、客観的に判断することが重要です。

住宅建築のプロフェッショナルとして、多くのお客様の家づくりに携わってきた経験から、今回はみなさんからよく寄せられる質問とその回答を、できるだけ具体的にお伝えしていきます。家づくりの不安を少しでも解消し、理想の住まいづくりにつながれば幸いです。

住宅展示場には行くべきですか?

住宅展示場は複数のハウスメーカーのモデルハウスを一度に確認できるため、効率的な情報収集の場としては非常に有用です。

ただし、事前に聞きたい内容や比較したい項目をまとめておくことが重要です。住宅展示場会では多くの営業担当者が駐在しているため、目的が明確でない人はセールスの的になってしまう可能性があります。

営業担当者にはどのような質問をすればいいですか?

そのハウスメーカーの強みについて具体的に質問することが重要です。また、現在の予算でどの程度の仕様が実現可能なのかを詳しく確認しましょう。アフターサービスの内容や、実際の施工を担当する会社についても、具体的な説明を求めることが賢明です。

アフターサービスのどのような点を比較すれば良いですか?

長期保証の期間と具体的な保証内容を詳しく確認することが重要です。また、延長保証の条件についても確認が必要です。定期点検の頻度や具体的な点検項目、そしてカスタマーサポートの対応時間や範囲についても、詳細を比較検討することをお勧めします。

まとめ:「やめた方がいいハウスメーカー」の特徴を押さえて対策をすれば、安心してマイホームが建てられる

本記事で解説した内容を実践することで、失敗リスクを大きく減らし、理想的なマイホームづくりに近づけるでしょう。特に大切なのは、しっかりとした知識を身につけ、自分自身で情報を精査する姿勢です。ハウスメーカーの説明を鵜呑みにせず、疑問点があれば遠慮せず質問し、納得した上で進めていくことが成功の秘訣です。

また、マイホーム完成後のメンテナンス計画も重要です。住宅は建てたら終わりではなく、適切なメンテナンスを行うことで長持ちさせることが可能です。定期的な点検や必要な修繕を怠らず、快適な住環境を維持しましょう。特に各ハウスメーカーが提供するアフターサービスや保証内容には違いがあるため、初期段階でしっかり確認しておくことが重要です。

ハウスメーカーは正しく選べば、マイホームづくりの良きパートナーとなります。適切な選定方法で慎重に調査を行えば、必ず信頼できるパートナーと出会えるでしょう。この記事が、皆様の理想のマイホームへの一歩を踏み出すための一助となることを願っています。

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